2011年7月25日

夏の印象


この日が決まってから、時はテアトロンに向かって流れて​いたような気にさせるほど、強烈な夏の印象。広く青い空と、船の行き交う瀬戸内の海と、それらをバックにしたステージの空気感を共有するために、僕らはまたこの場所へ集まった。出演者も、客席も、この空気感を全身で受け止める。彼は全力で歌いながら会場を駆け抜け、僕らはその姿を必死に追う。この日も、彼の声は僕らの心の奥まで突き刺さり、そしてやさしく包んだ。

あの年にして、衰えをしらないどころか、年を経るごとにハイパーさを増すパフォーマンスを出すのは並大抵のことではないだろう。「またここで会おうぜ!」という彼の言葉は、いつものあいさつではなく、確信に近い言葉のようにも感じた。また、彼はこの場所で歌う機会を創れるように活動を続けるだろう。僕らもまた彼に会えるように、生きていく。そうすれば、きっと、その日は来る。

テアトロンの夏は、たそがれの夕日と、携帯のフラッシュと、花火と、そのプロセスすべてと渾然一体となって、僕らの心に強く刻まれる。