2008年5月7日

社会的企業とNPOの違い

社会的課題の解決に事業を通して取り組む企業は、「社会的企業」と呼ばれている。「Social Enterprise」などの訳語であるが、「社会的」な「企業」という言葉は妙な響きに感じる。企業は元来、社会で一定の役割を担っているからこそ存在しているはずなのに。

ネーミングの問題はさておき、どういった企業が「社会的企業」と呼ばれるのか。もちろん、その線引きは具体的に定義されているものではなく、CSR活動に積極的な企業がそこに名を連ねる。それらに共通して言えることは、事業活動にかかる資源が、適正な循環のもとに利用、廃棄されているということ。長期的視野に立ち、自然環境や事業環境を食い潰さないというスタンスが見て取れる。

また、NPOとの違いについては、どのように説明できるだろうか。企業は、市場活動として行った事業に関して、株主をはじめとする出資者に報告し、今後の方向性を検討するのに対し、NPOの事業を評価するのは、NPO自身だ。NPO自身の意志決定機関において、自らの方向性を定める。ここに外部組織との緊張感を育むことのできない弱さがあるのかもしれない。