西陣ツーリズムの可能性
9/22(土)、京都ものづくり講座で、「西陣ツーリズムの可能性検証」という主題でプレゼンテーションをさせていただいた。私のこれまでの活動とそれを通して感じてきたことを整理しなおし、それらを「ツーリズム」という形に投影することを試みた。名所旧跡やプロダクトといった一般的な視点での議論は、ここでは取り上げず、人に蓄積された価値に焦点を当てた。それは、西陣織の仕事に携わり、そこに住み続ける人々に固有の価値を見出し、今の社会にないものを提示したいと思ったからだ。これこそが、世代の断絶によって消失される危険が高く、新たに復興することができないものではないだろうか。それをツーリズムを通して伝えたい、というのが私の願いだ。
ただ、ツーリズムで多数の人にそれを伝えることは簡単なことではない。短時間の滞在で観光者が受け入れられる形にして、それを見せつけなければならない。また、観光事業の中で職人が実際に伝えていくためには、プロダクト生産の傍ら、ガイド役としてのスキルを磨かなければならない。それらを組み合わせて事業として成功させるのは、簡単なことではない。まだまだ、これから様々な主体の方と対話を続けながら、実現に向けて活動を継続していきたいと思う。