2006年8月18日

年中行事を守るもの


今年も大文字ボランティアに参加させていただいた。今年で3回目となる。
1年に1回、みなが注目する行事だが、保存会やボランティアのみなさんは、1年間を通して活動をしておられる。秋冬には山の保全活動、年が明けて、まだ雪のやまない時期からその年に点火する割り木づくりを続けて、夏を迎える。
送り火点火の直前に火床の草刈りをする。炎天下、火床に生い茂った草を刈り取る作業は、もっとも過酷だ。ボランティアメンバーの牽引役の方は、朝6時から草を刈っているという。
そして、迎える当日。市内の誰もが注目する中、20時になると一斉に「大」の文字に火が灯る。
送り火を終えて17日、大文字山のごみ拾いで山に登る。毎日のように登った如意ヶ岳がぐっと身近に感じられる。
こうして今年の送り火を終えたが、来年の点火に向けてまた準備が始まる。
祇園祭も同じだが、外から見ているだけでは、そのときだけの行事だが、それを支える人たちは1年の生活を通して、それを守り続けている。その心意気は、彼らに特有のものではないはず。私たちも忘れてはならないものが、間違いなくそこにはある。

2006年8月14日

「西陣の現在2006」


京都ものづくり塾西陣分校としては、「西陣の四季を味わう2003」で様々なゲストを講師を招いて講座を開いてきた。そのとき、自分自身が伝えられるコンテンツを持ち合わせていないことを痛感した。その後は、「伝統文様と色彩のワークショップ2004」の開講や図案塾の講師を通して自分の中に知識を蓄積することをを主眼に置き、自分が事業を組み立てることは控えてきた。
しかし、西陣の変化は私たちを待ってはくれない。西陣織に従事する人たちの高齢化は、年を追うと同時に進行していく。今の時代に私たちが受け継げるものは何か、次の時代に生かすことができることは何か?急いで答えを見つけなければならない。
この3年間に私が考え続けてきたこともある。いま一度、西陣のフィールドに立ち、多くの人に伝える場を持つことが、自分にとって重要な仕事と考える。
もう一度始めよう。もう一度西陣の現場、生の声を拾い集め、内外に発信していく。まずはこれしかできないが、まずはこれをしなければ、なにも始まらない。
きっと、新しい縁が生まれる。そんなことを信じて、現在の西陣を伝える企画を京都ものづくり塾西陣分校としてスタートさせる。