古知谷カエデの紅葉は
この三連休、京都が迎える観光客はピークに達し、名所はどこも人でいっぱいだ。一昨日の嵐山は史上最多の人出だったとか。
そんなこととは縁なく、私たちは美しい紅葉をしっとり楽しむ。今年は、古知谷(こちだに)の阿弥陀寺を訪れた。古知谷は、三千院で知られる大原から、更に北へ20分ほど歩いたところ。ここでは、人里離れた山の紅葉を楽しむことができる。お寺へ続く道は、霞がかっており、霊気すら感じさせる。清浄な気持ちにさせられる。木々の間から射す光が照らす紅葉は、なにより美しい。
この阿弥陀寺で注目すべきなのは、樹齢800年近いという古知谷カエデ。京都市の天然記念物にも指定されている。高くそびえるその姿は圧巻である。しかし、このカエデに元気がない。住職によると、以前より発色が悪くなっているようだ。「温暖化の影響」という言葉をやはりここでも聴いた。今年の夏は、老体には堪えたに違いない。
一つ一つの事実を拾い集めて、自分の日々の生活に持ち帰る。今、自分にできることは何かを考えさせられる。