「山紫水明」をまもる新しいかたち
いつも参加している大文字ボランティアの代表の方とじっくりお話しする機会を得た。彼はこの団体だけでなく、いくつもの活動を掛け持ちしている。その心はどこにあるのか、ただの送り火の運営ではないだろうことは容易に想像がついていた。
実際にお話ししてみて、彼のビジョンがよくわかった。大文字山の保全活動を通して、それをモデル事業として京都中の里山保全事業に展開させる考えだ。現状の大文字山での活動を通じて、一般ボランティアによる里山保全活動がどれほどの手間ひまとコストがかかるのかを計っている。そして、そのデータをもとに、京都市に働きかけるのだ。
今は、かつてと違って山を護る人が少なくなり、荒れ放題だ。新しいスタイルで山を守り、次世代に繋いでいくほかない。
京都が京都たる由縁は、「山」にあるといっても過言ではない。日本の最大の特徴である四季を強烈に感じることも、水脈が美しことも、周囲を山に囲まれてこそのことだ。その「山」とともに、私たちは自然と共生し、四季の生活を営んできた。京都は原点を忘れてはならない。